年齢は英語の習得に影響を与えます。

30代でも英語を話せるようになるの?
今から英語の勉強を始めても話せるようになるのか不安に思いますよね。せっかく「勉強したい」と思っても時間は無駄にしたくありません。1年、毎日2時間勉強すると思うと約700時間。映画が300本見れる時間だと思うととんでもない時間ですよね。だから年齢と英語学習についての正しい知識をもつことが大切です。
「大人になってからの英語学習は手遅れ」と誇張した広告も見られます。
そこで本記事では、年齢が英語学習に与える影響と、英語学習のポイントを解説します。

この記事を読めば、安心して英語の勉強を始められますよ!
先に結論をお伝えします。
- 30代からでも英語は話せるようになる
- 大人の方が子どもよりも理解のスピードが早い
- インプット量の確保が大事
- 独学が難しい人は英語コーチングに頼るのもアリ
順番に解説します。
30代初心者でも英語を話せるようになるのか

英語学習と年齢の関係を説明するには、第二言語習得理論を理解する必要があります。
第二言語習得理論とは
第二言語習得理論とは、第二言語がどのような仕組みで習得されるのかを科学的に明らかにする学問です。
日本人にとっての英語や中国語のような「外国語(foreign language)」も、アメリカで英語を母語としない人にとっての「第二言語(second language)」も第二言語習得研究に含まれます。
第二言語習得理論を知ることで、効果的な学習方法を考えられます。
英語学習と年齢の関係 | 臨界期仮説とは
第二言語習得理論の中に臨界期仮説というものがあります。
臨界期仮説という名前を見ると堅苦しいと思いますよね。
簡単に言うと「大人になったら英語は身に付かない」という仮説です。
この仮説が一人歩きして、「大人は英語ができるようにならない」という噂が広がっています。

じゃあ30代は英語を勉強しても意味ないの?

安心してください!
年齢が言語習得に影響を与えることは明らかです。
しかし、実は臨界期「仮説」とあるように、年齢の影響が何歳からあるのかは研究者の間でも結論は出ていません。
明らかになってきていることは「Older is faster, younger is better.」ということです。
つまり、「若い方が良いけど、大人は早く理解できる」ことがわかっています。
30代でも諦める必要はありません。むしろ早くマスターできるという強みをもって英語学習に励みましょう。

良かった!じゃあ、どんな風に勉強したらいいの?

インプットが肝心です!
子どものメリット | インプット量が多く吸収が早い
なぜ英語の習得は「若いほうが良い」と言われるのか、理由があります。

大人の英語学習にも関係あります!
それは、大量のインプットを確保できることです。
例えば、海外転勤になった家族があります。大人の方が理解が早いので、最初は親の方が英語が上達します。
しかし、学校で友達とお喋りしたり授業を受けたりする子どもの方がインプット量が多く、1年後には親の英語力を追い越してしまうということもよくあります。
子どもは吸収が早いので短期間でぐっと伸びますが、大人の我々はしっかりと時間を確保して英語力を高めることが必要です。

そもそもインプットって何?

英語を浴びることです!
英語をインプット(入力)するというのは、たくさん英語を読む、聴くことです。
逆にアウトプット(出力)は話す、書くことです。
インプット量を増やす | 中高じゃ全然足りない!
特に日本人はインプット量が圧倒的に不足していると言われているので、たくさんの英語に触れるチャンスを作ることが大切です。

でも中学、高校でたくさんインプットしてきたんじゃないの?

実はまったく足りないんです…
研究で示された英語で「中級者」「上級者」になるための目標語数を以下に示します。
必要な読書量 | |
初心者 | 52,000語 |
初級者 | 86,000語 |
中級者 | 170,000語 |
中上級者 | 350,000語 |
上級者 | 892,000語 |
中高の教科書の語数は合計5万〜6万語です。ちなみに洋書の「ハリーポッター 賢者の石」の総語数は約7万8千語。つまり、中高6年間で小説1冊分以下の量しか英文をインプットしていません。
どのくらい学習時間が必要かはこちらで説明しています。
最近は学校で「アウトプット(話す量)」を増やそうという流れがあります。理由はシンプルで、「話せないのは、話していないからだ」という考えがあるからです。
しかし、ここまで読んで分かるように根本的に学習量が圧倒的に足りていません。もっとインプットを増やすことが必要だということです。(アウトプットの機会も大切です。)

さらに英語習得のポイントを3つ紹介します!
英語の習得に大切な3つのポイント

第二言語習得理論の研究で明らかになってきたことを3つ紹介します。
- 自分のレベルに合った教材を選ぶ
- 適切な勉強方法を選ぶ
- 勉強量を確保する
自分のレベルに合った教材を選ぶ | 難し過ぎるものを選ばない

ゴールにしてるレベルの教材じゃダメなの?

今の自分が「少し難しい」と思うレベルがおすすめです!
レベルに合わせた教材を使うことはとても大切です。
難しすぎても簡単過ぎてもいけません。
初心者がやりがちなのは、高いレベルを目指すからといってさっぱり理解できないぐらい難しいレベルの教材を選んでしまうことです。
かといって簡単過ぎると、脳が必要ない知識だと思ってスイッチをオフにしてしまいます。
自分にとって少しだけ難しいレベルの教材を使うことがポイントです。
階段を上がるように徐々にステップアップしていくことで力がつくということを覚えておきましょう。
適切な勉強方法を選ぶ | スキルと好みに合わせる

適切な勉強方法って何?

学習内容と好みの学習スタイルを考えることです!
適切な勉強方法と聞くと、自分に合った勉強をすればよいと思いがちですが、そうとは限りません。
学習内容に合わせた学習方法を選ぶことが大切です。
例えば、発音を良くしたいと思ったら、ネイティブの発音を何度も聞くことが絶対に必要です。「自分は繰り返し聴くのが苦手だから…」といった得意不得意や好みは関係ありません。
しかし、苦手なスキルと得意(好き)な学習方法を組み合わせることは効果的です。
例えば、私はライティングが苦手(スキル)ですが、グループ学習(学習方法)が好きです。そのため、グループで協力してライティング課題に取り組むのが効果的だと言えます。
意識しなければついつい自分の好きな学習方法ばかり選んでしまいがちです。適切な学習方法を選ぶことで効率よく英語を身に付けましょう。
勉強量を確保する | 1年なら1日3時間
英語を話せるようになるには膨大な時間が必要です。日本語と英語は言語体系が全く異なる、距離が大きく離れている言語だからです。
米国国務省付属の外交官養成局(FSI)の調査によると、英語と日本語の距離は5段階中の5、最も難しい言語とされています。
これはアメリカ人が日本語を習得する場合の調査ですが、日本語と英語の距離がとても大きいことは変わりません。日本人の英語学習にも参考になる話です。
ちなみに、日本人の英語学習に置き換えると、中上級レベル(英検準1級相当)になるには88週間、もしくは2200時間の学習が必要です。

急に厳しい現実…

まずはこの事実をしっかり受け止めることです!
「2200時間なんて無理…」って思いますよね。でも、これはゼロからのスタートの話。
中学、高校で約1000時間の授業を受けてきたことを考えると、残りは約1200時間。
自習した時間も考えます。定期テストが1年に5回あるとして、テスト前に合計10時間ずつ勉強。
中学、高校合わせて6年間で300時間なので、残りは900時間。
1年間で達成しようとする場合、週に1日は休みを入れて週6日の学習だと、
これで912時間です。たまにサボる日があっても大丈夫。
週6で2時間ならおよそ1年半の学習が必要です。

思ったより時間がかかるのね…
もちろんこれまでの学習時間や個人の集中力などによってこの期間は変わってきます。
一方で文教大学の研究(参照)では、大学生の多くが「1日1時間の勉強を1~2年続けると英語が習得できると思う」答えています。
「なんとなく話せるようになる」と考えている人が多いことがわかります。
ここまで読んだあなたは、実際は「甘い考え」だということがわかりますよね。
学校「だけ」じゃ話せるようにならない

中学、高校で1500時間の勉強してきたのに…

だから学校「だけ」じゃ足りないということです!
英語を話せるようになるには、いかに大量の学習時間を確保することが大切か、わかったと思います。
本当は大切だけど、どうしても学校の一斉授業ではできないことがあります。

自分で全部何とかするのは大変…

英語コーチングで全部解決します!
自分のレベルをチェックしたり、世の中に数え切れないほどある教材から自分に合ったものを探したりするのは大変です。
そして、1人で毎日何時間も学習を継続するには高いモチベーションが必要になります。
独学でやり切れる人は良いですが「一人では難しい」と思う人もいますよね。
そこで「英語コーチング」の無料カウンセリングの利用をおすすめします。レベルチェックテスト、あなたの弱点に合わせた学習方針の提案をしてくれます。
「英語コーチングって何?」って人はこちらで英語コーチングとは何か、おすすめの英語コーチングを紹介しているので「何をすればいいのかわからない」「ちょっと英語コーチングに興味がある」という人は気軽に相談してみてください。
まとめ

- 30代からでも英語は話せるようになる
- 大人の方が子どもよりも理解のスピードが早い
- インプット量の確保が大事
- 独学が難しい人は英語コーチングに頼るのもアリ
文法の話を聞いて早く理解できたり、同じ説明を聞いても大人の方がすぐに行動できたりするなど、大人は理解が早いことがメリットです。
30代でも40代でも、きちんとインプットの時間を確保して適切な方法で学習を進めれば英語が話せるようになります。
独学でやり切るか、英会話スクールを利用するか、英語コーチングを利用するか。
こちらで英会話スクールと英語コーチングを比較しているので参考にしてください。
あなたに最適な学習方法が見つかりますように。
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